こんにちは、2級ファイナンシャル・プランニング技能士のオットです。
過去の記事で、投資をしている自覚がない人でも実は「日本円への投資」をしていることと、そのリスクについて解説しました。
日本円への集中投資のリスクを抑えるためには、資産を分散させることが有効です。その分散先の最有力候補となるのが株式投資です。しかし、株式投資と一言で言ってもいくつかの種類があり、投資初心者にとっては少し分かりにくい部分もあるかもしれません。
そこで今回は、初心者の方でも理解できるように株式投資の種類について解説していきます。
株式投資に関連する基本用語
株式投資を説明する前に、まずは投資に関する基本的な用語を押さえておきましょう。これを知ることで、株式投資の理解が格段に深まります。
- 株式:株式会社が資金調達のために発行する証券。
- 株主:株式を購入した人。株主の権利として、以下のようなものがあります。
- 議決権:株主総会に参加し、会社の経営に関与できる権利。
- 剰余金分配請求権:企業が生んだ利益の一部を配当として受け取る権利。
- 残余財産分配請求権:会社が解散した際に、残った財産を分配してもらえる権利。
- 株式市場:株式を売買できる場所。東京証券取引所(東証)が代表的で、東証の中でも企業の規模や成長段階によって、プライム市場、スタンダード市場及びグロース市場に分類される。実際の市場に行かなくても、証券会社のオンライン取引サービスを利用すれば、インターネットを通じて株式の売買が可能。
- 上場:企業が株式市場で株式を売買できるようにすること。
企業が事業を成長させるためには多くの資金が必要になる。そのため、多くの人から資金を集めることを目的として株式市場に上場させる企業が多い。 - 単元株:株式の取引(売買)単位。日本株は基本的に100株単位だが、1株単位で売買できる単元未満株を取り扱う証券会社も増えてきている。外国株は1株単位。
- 株式の売買:通常、株式の売買はすでに市場に流通している(株主が保有している)株式で行われる。株式を購入する際の注文方法は以下の通り。
- 指値注文:購入価格を指定して注文。株価が指定した価格にならなければ注文は成立しない。
- 成行注文:価格を指定せずに市場価格で注文。
- 利回り(年平均利回り):元本(購入金額)に対する1年あたりの収益の割合。
- 株式投資の利益
- キャピタルゲイン:購入時より高い価格で売却することで得られる利益。
- インカムゲイン:配当金や株主優待を受け取ることで得られる利益。会社によっては配当金や株主優待を出していない場合もある。また、配当金は1株でも保有していれば得られるが、株主優待は保有株数1単元以上など、会社ごとに条件が異なる。
株式投資の種類と特徴
個別株投資
個別株投資とは、特定の企業の株式を購入し、その企業の成長による利益を狙う投資方法です。上場企業の株式を証券市場で売買でき、基本的には「1単元(100株)」から購入できます。ただし、証券会社によっては「単元未満株」として1株から購入できるサービスもあります。
- メリット
- 企業の成長とともに大きなキャピタルゲインを得る可能性がある。
- 高配当銘柄を選べば、インカムゲイン(配当金)も期待できる。
- デメリット
- 業績や社会情勢で株価が大きく動くため、リスクが高い。
- 企業分析や株価の値動きをチェックする手間がかかる。
投資信託
投資信託とは、多くの投資家からお金を集め、運用会社がそのお金を使って複数の投資先に分散投資する仕組みの商品です。少額からでも購入できるため、初心者向けの投資手法としても人気があります。
- メリット
- 1,000円程度から投資が可能。
- 多くの投資先に分散できるためリスクが低い。
- プロが運用するため、自分で企業分析をしなくてもよい。
- デメリット
- 配当金は運用会社が再投資するため、インカムゲインは得られない。
- 信託報酬(運用コスト)がかかる。
また、投資信託には運用方法が2種類あります。
- インデックス運用(パッシブ運用):日経225やS&P500などのベンチマーク(市場指数)に連動する運用を目指す。
- アクティブ運用:市場平均を上回る成果を目指して、ファンドマネージャーが積極的に銘柄選定を行う。
※手数料などの影響で、長期的にはインデックス運用の方が成績が良い傾向にあります。
上場投資信託(ETF)
ETF(Exchange Traded Fund)とは、投資信託と同じく複数の銘柄に分散投資できる金融商品ですが、株式市場に上場しているため、個別株のように売買が可能です。
- メリット
- 個別株のように、リアルタイムで売買できる。
- 配当金を受け取れる。
- 投資信託と同じく分散投資が可能。
- デメリット
- 投資信託に比べると売買のタイミングを考える必要がある。
ETFには、株価指数連動型(S&P500連動など)、不動産投資信託(J-REIT)など、さまざまな種類があります。
どの投資方法を選ぶべきか?
それぞれの投資方法には特徴があり、どれが適しているかは投資家の目的によります。
資産拡大やリスクヘッジとしての分散投資を目的とする投資初心者には、
- 小さい金額から手軽に始められること
- たくさんの企業に分散投資ができ、資産が大きく減少するリスクを回避できること
から、投資信託のインデックス運用から始めることをお勧めします。
個別株投資の場合、1単元の購入にはたくさんのお金が必要になります。また、たくさんの企業に分散投資するには、まとまった資金が必要になります。
仮に分散投資せず少ない企業に投資した場合、自分の資産に占める一企業の割合が大きくなるため、一企業の株価の変動で大きく資産を減らしてしまうこともあります(もちろん大きく資産が増える可能性もあります)。資産を大きく減らしてしまうと、精神的にも資金的にも負担が大きくなり、投資を続けにくくなることもあるでしょう。そのような点からも投資信託をお勧めします。
投資信託を購入するということは、自分の資産を証券会社に預けることになります。証券会社が破綻した場合、自分の資産が無くなってしまうのではと不安になる方もいるかもしれませんが、そこはご安心ください。証券会社は、自らの資産と投資家から預かった金融資産を分けて管理することが義務付けられている(分別管理義務)ので、証券会社が破綻しても資産がなくなることは基本的にありません。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、株式投資の種類とその特徴について解説しました。
- 個別株投資:企業ごとの株を購入し、企業分析が必要。
- 投資信託:運用会社がたくさんの企業に分散投資し、少額から投資可能。
- ETF:投資信託と個別株の特徴を併せ持ち、配当金も得られる。
これらを理解した上で、自分に合った投資方法を選び、資産運用の第一歩を踏み出しましょう!
今後は、私自身がどのような投資を行っているのかなども交えて、より詳しい解説をしていきたいと思います。投資戦略を理解するために、お金の知識をしっかり身につけていきましょう。今後もお金に関する情報を発信していきますので、ぜひチェックしてみてください!
また、ファイナンシャル・プランナーの知識は、生活の質を向上させるために役立ちます。少しでも興味を持った方は、ぜひ今後も情報収集を続けてみてくださいね!
ではでは。。。
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