【お金の基礎知識】多くの日本人が無自覚に行なっている投資とは?

投資関連

こんにちは、2級ファイナンシャル・プランニング技能士のオットです。

突然ですが、皆さんは投資ってやられていますか?新NISAの影響で投資を始めた方もいらっしゃるかもしれませんが、まだ投資はしていないという人も多いと思います。しかし、実はそんな「投資をしていない」と思っている人も無自覚に行なっている投資があります。

今回は、そんな多くの人が無自覚に行なっている投資について解説します。また、その投資に大きく関係する金利について、ファイナンシャル・プランナー(FP)の知識を交えてわかりやすく説明しますので、ぜひご覧ください。

無自覚な投資:日本円への投資とは?

冒頭で触れた多くの人が無自覚に行なっている投資とは、「日本円への投資」です。

日本円への投資とは、預貯金そのものを指します。現代では、日本円だけでなく、米ドルやユーロなど様々な通貨でお金を保有することができます。また株式、債券、金、仮想通貨など資産保有の形も現金だけに限らず多様にあります。そのような状況で、日本円の預貯金しかしていないというのは、自分の資産を全て「日本円(現金)」に投資している状態といえます。

日本円への全額投資のリスク

投資未経験者からすると、株式等への投資は危険で、預貯金は安全と思うかもしれません。確かに株式等は、短い期間で価格が大きく変わる(損をしてしまう)こともあります。その点、預貯金は株式等のように預金残高が急に減ることはありません。しかし、預貯金も為替や物価の変動により「価値」が下がるリスクがあります。

例えば、以前は100円で買えたものが円安や物価上昇の影響で120円になるというのは、皆さんも経験したことがあるかと思います。これはモノの価値が上がり、相対的に日本円の価値が下がったことを示しています。このように物価が上がると、預金残高の数字は同じでも現金の「実際の価値」は下がってしまい、以前は買えたはずのものが、お金が足りなくて買えないという状況になりかねません。つまり、日本円(現金)への全額投資は、為替変動リスク(円安など)や物価変動リスク(物価上昇など)に対して無防備だといえます。

FP視点で学ぶ -日本円投資のリスクと密接に関係する「金利」について–

日本円への全額投資が抱えるリスクとして、為替変動と物価変動を挙げました。日本円(現金)の価値低下のリスクを回避するには、為替変動や物価変動の恩恵を受けるものにも自分の資産を分散させることが重要です。資産分散の重要性等については、為替変動や物価変動に密接に関係する「金利」の影響を理解すると、より理解が高まると思います。そこで、ここからはFPの知識を交えながら、金利と為替、物価等の関係を解説します。

金利とは?

金利は、お金を借りたり預けたりする際に発生する利息の割合を指します。

  • 高金利:預ければ利息が多くもらえるが、借りれば返済額が高い。
  • 低金利:預けても利息は少ないが、借りる際の負担は低い。

金利は、景気、物価、為替相場、海外金利、通貨量など様々な要因で変動します。それぞれを詳しく見ていきましょう。

景気の影響

景気が良いと金利は上昇します。景気が良い時は、個人のモノへの需要が高く、また企業の事業投資も積極的に行われるため、個人及び企業からの借入需要(お金を借りたいという需要)が増え、金利が上昇します。逆に景気が悪い時は借入が減り、金利は低下します。

物価の影響(インフレ・デフレ)

インフレ(物価上昇)時は金利が上昇します。インフレは一般的にモノへの需要増加に伴い発生します。そのため景気が良いときと同様に金利が上昇します。また、過度なインフレ(物価の上がりすぎ)を抑制したい場合、お金を借り辛い状態を作るために中央銀行が政策金利を引き上げることもあります。デフレ(物価下落)時は、需要減少により金利も低下します。

為替の影響

円安になると金利が上昇します。円安の際は輸入品の価格が上がるため、物価高騰によって金利が上昇します。円高になるとその逆で、輸入品の価格が下がり、金利は低下します。

海外金利の影響

海外金利が高い場合、金利は上昇します。お金を預ける際、金利の高い方と低い方があった場合、多くの人が金利の高い方に預けたいと思うでしょう。外国為替の場合、その他のリスクもあり金利だけで預け先を判断するのは難しいですが、例えば金利の低い日本円と金利の高い米ドルなら、利子がたくさん得られるため米ドルを多く保有したいと思う人が多くいてもおかしくありません。このような場合、日本から海外へ資金が流出し、円の需要が下がることで円安(円の価値低下)となります。すると為替の影響、物価の影響で説明したように国内金利が上昇する傾向があります。逆に海外金利が低い場合は、円高と金利低下につながります。

通貨量の影響

日本の円やアメリカのドルは自国通貨であり、自ら市場に通貨を発行することができます。その際、通貨発行量が増加するとお金の量が増えるため需要が低下し通貨の価値が下がるため、金利は下落します。逆に通貨量が抑制されるとお金への需要が高まり、金利は上昇します。

まとめ:資産を分散してリスクを抑えよう

以上のように、金利は景気や物価、為替、海外金利、通貨量など様々な要素と密接に関連しています。円の価値が低下する円安や物価上昇の場合、その後に円の金利が上昇し、円の価値が上がる局面がやってくると考えられますが、その局面がいつ来るかはわかりません。円の価値が低下する状況が長期化した場合、日本円に全額投資している人は生活の質を維持するためにたくさんのお金が必要になり、資産がどんどん無くなっていくことも考えられます。その結果、資産が少なくなってしまったら、その後日本円の価値が上がってもあまり恩恵を受けることができません。

このことから、円の価値低下の原因である物価上昇の恩恵を受けている会社の株式や、円安によって価値が上がっている外国通貨等に資産を分散して、自らの資産が減少するリスクを抑えることが大切になります。

このように現在の自分の資産状況を把握し、お金に関する知識を身につけていくと、今後とるべき対策などが明確になっていきます。

今後も自分の資産防衛やお金の知識につながる情報発信を続けていきますので、ぜひ参考にしてください。またファイナンシャルプランナーの知識は、生活する上で重要なお金の知識を幅広く学ぶことができ、生活の質向上に役立ちます。少しでも興味を持った方は、ぜひ今後も情報収集を続けてください。

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